2002 チベット：秘境なのか？町なのか？

拉薩の空港は市街地から１００Ｋｍ離れたゴンカルという町にある。中国では最も町と空港が離れている例だそうで、車で１時間半ほどかかる。

その文字通り人里離れた空港のロビーでガイドが迎えにきている．．．はずであったが、いない。別にいなくても構わないが、ここは「チベット」であり、勝手に動いてあとで強制送還（？？）されても困る。
だが、待てど暮らせどガイドは来ない。ＪＴ●から聞いていた「日本語ＯＫ」のはずのガイドのケータイに電話してみるが、相手は中国語で一向に要領を得ない。今度は成都の旅行会社のこれまた「日本語ＯＫ」の担当者に電話するとこちらは日本語ペラペラであった。彼女いはく「連絡を取ってみたら、飛行機の時間が早くなった連絡がいってなかったみたいです。あと１時間くらいでそちらに着きます」だとさ。

しかしこの「１時間待て」に腹を立ててはならぬ。ここは「人民の国」中華人民共和国である。何が起こってもおかしくない。と思っていたら、成都の旅行会社の小姐は言うではないか。「マネージャーがお詫びに夕食をご馳走すると言ってます」。
拉薩初日からタダ飯かぁ～♪　こいつはついてるぞぉ～(^_^)

１時間どころかほとんど２時間くらいたったころガイドの鐘（しょう）徳華さんがやって来て平謝りをする。
「遅れましてホントウに申しわけありません。飛行機の時間がヘンコーになった連絡が来てませんでした。１３時５分に着く予定でしたから。」と妙に細かい（笑）
この鐘さん、他にも異常に数字に細かい。「拉薩は標高３６５８メートル（『●き方』ですら３６００メートルとしか書いていない）です」「明日の朝は９：４５に迎えに来ます」など。その他年代も「ＸＸ世紀」とかではなく必ず４桁で言う。

そうかと思うといきなり「わたし、ハーフなんです」などと言い出すしたりする。
鐘「どことどこのハーフかわかりますか？」
私「う～ん、中国と韓国．．．かな？　いや、ひょっとして中国と日本？」
鐘「漢民族とチベット人のハーフです」
私「あっ、そう．．．．．(ｰｰ;)」

ま、中国とチベットは同じ国と言えばそうだし、別の国と言えばそうとも言えるので中国とチベットのハーフというのもありですかね。

それから、「ホテルは決まってますか？」と聞いてくる。
私「決めてないけど、どこか安くていいとこないですかねぇ？」
鐘「ガイドブック、もってますか？．．．．（そこで、『○き方』を出す）．．．ああ、『地球の○き方』ですか。私、３冊持ってます。（そんなに持ってどうするんだ？）　２００１年版も２００２年版もあります。（なるほど、そういうことか）」
日本語ガイドとはいえ『○き方』を年度別に３冊も持っているとは恐るべし．．．．。
話によると拉薩から日本へ帰る観光客から最終日に買取るのだそうな。

そんなこんな話をしているうちに車は拉薩の町へ入っていく。空港からの道路は完全に舗装されているし、市街地に入ると道幅はますます広い。大通りには超級市場（スーパーマーケット）や百貨大厦（デパート：下の写真）、電影院（映画館）もある。車もビュンビュン走っている。このあたりでは拉薩も意外と町である。ただ、中国の他の町とは違って人通りはそれほど多くはない。


拉薩百貨大厦（ラサ・デパート）	いまいち垢抜けていないが「秘境」ではない。ちゃんとエスカレーターもエレベーターもある。このあと「禁止拍照」の看板を発見。やばっ(^_^;)
	←映画館（拉薩電影院）では”ハリポタ”もやっている。　重慶での経験から中国語に吹き変えられているのは　分かっていたのでやめておいた。

丘の上にそびえるポタラ宮を横に通りすぎてチベット人区域に入ると、マニ車を手にしたチベット人の数が増えてくる。このあたりに来ると建物も白壁のチベット風になってくる。おぉぉぉ、来たぞぉ(^_^)。


五体投地＠大昭寺	八廓街。大昭寺を囲んでいる。

【プチお役立ち知識】　お役立ち度：★★★★☆．．．くらい
ポタラ宮の入場料は７０元である。これは外国人も中国人も同じ。
それでは巡礼に来ているとても７０元も払えそうにはみえないチベット人巡礼者はどうしているのか？　巡礼者値段というのがあるらしく２～３元だという。ガイドの鐘さんいはく「ここには外国人と中国人の違いはありません。ですが、漢民族とチベット人は別です」。チベットはチベット人のもの、ポタラ宮はチベット人のもの、ということか。

その他、ご質問ありましたらこちらへド～ゾ(^^)。