■ゴスペル・ツアー 〜 ところ変れば礼拝も変わる...のか■
ニューヨークといえば黒人文化としてのハーレム、”ゴスペル・ツアー”は外せなかった。
ただ、毎度おなじみのガイドブック引用だが、『自由旅行・ニューヨーク』にはこう書いてあった。
「活気に満ちたブラック・ハーレムだが、安全面では十分気をつけなくてはいけない。
市当局の対策によって治安も多少は良くなっているが、低所得者が集まりスラム化したところも多いため、麻薬犯罪やひったくり、強盗、レイプなど、トラブルは多い。日中でも大通りからそれないようにして、なるべく一人では行かないようにしたい。ジャズやゴスペルを聞きに行くなら、ツアーを利用するとよい」
よし、ゴスペル”ツアー”だ。
宿で聞くと30ドルだという。
ゴスペル・ツアーといっても単なるオプショナル・ツアーで、あっちこっちの教会で受け入れているのでいろいろあるが、どれもみな30〜40ドルである。
例によってマイクロ・バスでピックアップされて、さあ教会へ。と思いきや、礼拝が始まるまでの時間つぶしかニューヨーク市内観光である。ブロード・ウェイ、セントラル・パーク、ダコタ・ハウス、アポロ・シアターと、やたら調子のいい運ちゃんのやたら分かりやすい英語(マジ、学校で習う教科書英語のようだった(゚o゚))の説明で周っていく。
運ちゃんいはく「ニューヨークのツアー・ガイドは世界各国の言葉で案内できるようにトレーニングされています。ただし、ドイツ語・スペイン語・日本語は除きますが。ワハハハハハ!」
ご想像の通り、そのツアーには英語国民以外はドイツ人・スペイン人・日本人しかいなかったのである。
 |
そうこうしているうちに教会へ着く。
Metropolitan African Methodist Episcopal
Church(@ 58 West 135th Street,左の写真)である。外見はなんの変哲も無い殺風景な現代建築である。
中へ入ると2階へと案内される。映画館かなんとか文化会館の2階席のようなところで、「観光客」として礼拝に顔を出す場合はそこへ座ることになるらしい。
|
その2階席の眺め(右の写真がそれ)である。ハーレムのよその教会はどんなだかはわからないが、ここは昔の学校の「講堂」というのがピッタリ(笑)
しかし気になるのは、正面の説教台の後ろのドラム・セットである。
あぁぁぁ、やっぱり「ゴスペル・ツアー」なのだ、と意味不明な納得。
そのうち時間になり人も集まってきて、牧師さん(神父さん? この違いがいまだにわからない)・聖歌隊(?)も登場し、例のドラム・セットの前にもおっちゃんが一人座った。
|
 |
 |
とりあえずはフツーの礼拝のように大人しく始まった。ただ、なにを言っているのか"Jesus"だとか"God"以外はさっぱりわからなかったところは情け無い...。
が、どんどん進んでいくとテンションが上がってきたのか、"Jesus ナンタカカンタラ、イェ〜イ!!""Woooow!!, God bless ウンヌンカンヌン Jeeeeeeeeesus!! Hallelujah!!!"と、なんだかアブナイ新興宗教か、恐山のイタコの叫びのようになってきた(笑)
よしよし、噂どおりだぞぉ、とまた納得。 |
と、しばしあぶないハイテンションかつありがたい(に違いない)お話が終わると、賛美歌に移る。
しかし賛美歌もハイテンションなままであった。さきほどのドラム・セットがジャズのように活躍し、”聖歌隊”(左上写真右のほう)は手をたたき体をリズムに合わせて揺らし、1階を見おろしてみると教会内全員総立ちでノリノリである。
"God bless you"の言葉に送られて教会を出てマイクロ・バスに乗り込むと、隣の兄ちゃんが苦笑いして話しかけてきた。"Did
you like it?"
うぅぅぅぅむ、返事に困る。
|