チトワン国立公園の日没
SUNSET@CHITWAN National Park



− CHITWAN National Park − 


バスがいきなり道の脇に停まった。ドライバーとその助手兼車掌(?)の少年がバスから降りて右側の後輪を覗きこんでいる。パンクらしい。しかしだれも慌てる様子もなくバスから降り、まるで途中の単なる休憩のように狭い座席に詰め込まれていた体を伸ばしたりタバコを吸い始めたりする。パンクなどそれほどめずらしいことでもないし、急いでいる人などだれもいないのだろう。ドライバーと助手の奮闘により30分くらいでタイヤは交換されるとみなゾロゾロと乗り込み、また何事もなかったかのようにバスは走り出した。

その日の朝THAMELのホテルを出るときに「バラプトゥールの町を少し過ぎたあたりのバラプトゥール・ハイツで間違わずに降りるように」とうるさいくらい言われていた。バラプトゥールの町に入ったあたりでとなりの男に「バラプトゥール・ハイツで降りたいので着いたら教えてくれ」というと「もうすぐだから、前のほうに行っておいたほうがいい」といい自分も後ろからついてきてバラプトゥール・ハイツの前でドライバーに合図してバスを止めてくれた。バラプトゥール・ハイツというのはジャングル・サファリ用の高級ロッジなので、バスから降りて屋根の上からバックパックを受け取ると、守衛が走り寄ってきてそのバックパックを横からひったくってロッジまで運んでくれた。

マイクロ・バスとカヌーを乗り継いでナラヤニ川の中州にあるアイランド・ジャングル・リゾートへ日本人5人、台湾人4人、その他欧米人数人で向かう。この時期台湾は旧暦の正月休みなのでネパール中で日本人よりもよく見かけるくらいだった。あとで聞いてみるとロッジは2泊3日でUS$160だったが、日本人のうち2人はテントで申し込んでいたらしくUS$100と言っていた。
テントとは言っても登山用の吹けば飛ぶようなペラペラのテントではなく常設のものなので、つくりはしっかりしていてテントの中にはロッジのものより一回り小さいがちゃんとしたベッドもあった。ただロッジもテントも電灯はなくランプがひとつづつ支給される。このランプは食堂とロッジの間の行き来のときなどに”懐中電灯”の役目もする。電灯と同様にロッジには暖房もない。夜になりランプが必要になり、さらに暖房が必要なくらい寒くなると寝ればいい。

このチトワン国立公園のツアーはElephant Ridingとカヌーが売りだった。毎朝食事前のまだ一面にもやがたちこめている6時ころから象に乗せてくれる。最初はめずらしいので乗りごこちは悪いものの楽しんでいたが、3回目くらいには「他にすることもないし象にでも乗ってるか....」と何とも象サマには失礼きわまりないことになってきた。1日目と3日目にそれぞれ1回、2日目は2回で合計4回、1回が1時間から1時間半だから3日間で合計5〜6時間は象の背で揺られていた計算になる。




象やカヌーに何回乗ろうが、ジャングル・ウォークと称してジャングル(ジャングルというほどのものではなく単なる森)の中をいくら歩き回ろうが、時間はありあまっていた。ロッジの前はナラヤニ川がゆっくりと流れている。その川の流れと同じ速さで時間が過ぎていく。



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