2000 ネパール旅行:PROLOGUE

クマリの館
KUMARI BAHAL＠KATHMANDU

－　ＰＲＯＬＯＧＵＥ　－　

「今度はどこ行くの？」
「ネパール。」
「山登り？」
「うぅぅん、別に．．．．」
「観光？」
「とくに．．．」
「じゃぁ何しに行くの？」
「．．．．．沈没．．．．かも」
「？？？．．．．．」

今回は成田からではなくロイヤル・ネパール航空で関空からカトマンズへ。どうせ羽田から関空への飛行機は午後だからということで荷造りは当日朝起きてから始めた。特に変わった持ち物は何もない。着替えが３日分ほどと「歩き方」とカメラと歯磨き・歯ブラシ。それから文庫本を３冊ほど。主な荷物はこれくらい。国内旅行とたいして変わらない。あえて違いをあげればパスポートとトラベラーズ・チェックを持っているくらい。それくらい今回は肩の力、というか全身の力が抜けていた。。

バックパッカー仲間の間ではネパールの人気は絶大だった。バックパッカー生息数ではタイ、インドとならんでベスト３だろう。ある意味ではタイとネパールは楽しみのために取っておいた、といえなくもない。２０回以上海外旅行に行っていながらそのどちらの国にも行ったことがないというのも珍しい、とよくいわれる。

ネパールで何しようか？　特にこれというものは何もなかった。とりあえずカトマンズでぶらぶらして、ポカラで山を見て、それからチトワン国立公園では象に乗れるっていうしちょっと乗ってみようか．．．くらいしか考えていなかった。人の話を聞いているとネパールというところは何をするでもなく気がついたらいつの間にか１週間や１０日たっているという不思議な土地で、おそろしく居心地がいいところらしい。

日程は１５日間あったが最初からあまり動き回るつもりはなかった。日本で会社勤めしていると絶対味わえない”時間に縛られず、何もしない最高の贅沢”というのを味わってみたかった。
目覚ましもかけず自然に起きて、眠くなったら寝る。昨日は何時に寝たんだろう？　さぁ？．．．．そんなことはどうでもいい。おなかすいたしゴハンでも食べに行こうか。

しなければならないことなんか何もない。寝て、起きて、食って、また寝るだけ。

「どうしてネパールなの？」
「行ってみたいから．．．．．それだけ」
「．．．．．．」（また絶句された）

そんじゃあ、行ってきます。