PASHUPATINATH@KATHMANDU



− BOUDHANATH & PASHUPATINATH −


ボダナートはネパール最大のストゥーパのあるチベット仏教の巡礼地、パシュパティナートは同じくネパール最大のヒンドゥー寺院である。

ボダナートは気の満ちた場所に建てられた聖地だといわれ、巡礼者だけではなくチベット仏教を学ぶ若い僧が各地からやってくる。なかには頭を丸めた白人僧もいる。ストゥーパの最下層の壁にはマニ車がびっしり並んでいて、巡礼者たちはマニ車を回し、真言を唱え、周囲を時計回りに周りつづける。白人僧も五体投地をし、ひたすら祈りつづけるが、それを写真に収めるのもまた白人の旅行者だった。

そのネパール最大のストゥーパはゲストハウス、レストラン、土産物屋などの建物で囲まれ、土産物屋はTHAMELのように外国人旅行者に声をかけてくる。チベット人がやっている仏具屋へ入ってみた。
「この香立ていくら?」
「50ルピーだよ」
「30ルピーにならないかなぁ」
「40ルピーならいい」
「30ルピー!」
「35ルピー。これ以上はまけられない」
「30ルピー! 同じブッディストじゃないか!」
「ははは、わかったわかった! 30ルピーでいいよ」
こうして日本からやって来たにわか仏教徒は香立てを30ルピーに値切り倒した。

ボダナートから歩いて30〜40分、ガンガーの支流バグマティ川の岸にパシュパティナートはある。乾季のせいかすっかり干上がってひざほども水のないバグマティ川の岸のガートで火葬が始まろうとしていた。対岸とガートの背後の建物の二階にはその火葬を見物しようと人が集まっていた。死者は木のやぐらのよこの地面に、赤、ピンク、黄色、白などのさまざまな布で巻かれ横たわっている。あの世に旅立つ前の晴装束だろうか。
後に残された身内のものや友人たちだろうか、死体をやぐらの上に置き火をつける。それほど炎をあげて盛大に燃えるわけではなく、ただ煙だけがあたりに立ち込めていく。やぐらを組んでいる木が湿っているのか、人間の体というのはそんなに燃えにくいものなのか。

見物人たちもしばらくするとばらばらと散らばっていき、もとの3分の1くらいになった。写真のモデルだかなんだかわからないようなヒンドゥーの行者サドゥーを何人か見かけ、一周りしてきてもまだ木のやぐらは残っていて死体はさきほどと変わりない形を残し、あいかわらず炎ではなく盛大に煙だけが立ち昇っていた。

すっかり焼けた灰はそのままバグマティ川に流されると言う。
死者を焼く煙が立つ横のそのバグマティ川で衣服を洗っている少年がいた。






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