海ではありません。バイカル湖です。

バイカル湖畔は近くて遠いぞ



ロシア号はウラジオストックから走りつづけて3泊4日目であった(ようやるわ...)。イルクーツクはハパロフスク以降モスクワまでの間では最大の都市....だったがしれていた。なぜそんなイルクーツクで一泊する予定を組んだかといえば、シベリア鉄道中最大の観光地・地球最大の湖・世界遺産「バイカル湖」を見るためである。列車はウラン・ウデをすぎてしばらくしたあたりから3時間ほどずっとバイカル湖のそばを走り、湖が見えなくなったなと思って2〜3時間するとイルクーツクの駅に着く。ちなみに「シベリア鉄道9400キロ」の宮脇俊三氏はイルクーツクで下車せずにモスクワまで6泊7日ノンストップで向かっている。

いちおう個人旅行とはいえインツーリスト様にホテル&列車の手配はお願いしているので、予約のときに「イルクーツク駅お出迎え」も頼んでおいたが、この国でそんなものがホントに来るとはだれもアテにしていなかった。駅でしばらく待ったが当然誰も来ず、それらしき人もおらぬので、ウラジオストックからいっしょだった日米欧中人たちは駅前からバス(トロリ−・バスだったかも....)でインツーリストホテルへと向かうことにした。いま考えればテキトーに乗ったバスでアンガラ川を渡ってよくちゃんとホテルの近くについたものだと思う。不思議だ....。

このバスは当たり前のようにめちゃくちゃ混んでいた。混んでいるとどうなるかというと「お金を払えない」状態になる。払わない、のではなく、払えない。ここのところが重要である。
まあいいや、と思って出口の方へ向かおうとすると近くにいた口ひげをはやしたロシアのオッサンが
「○☆!×◆△+@↓=*※!!!」
と言ってきたが、こっちは
「?????」。
するとまたまた
「■●◇+?>¥|★%$”+};◎×☆,?〜_▲!!!!」
何度いわれようがこっちは
「.....??????」。
とまぁそんな具合で怒鳴られているうちにバスの外へ押し出されてしまったのである。
あぁぁぁ、無賃乗車。露西亜公安にはくれぐれもご内密に。

というわけで、イルクーツクのバスの料金がいくらか私は知らない。

インツーリスト・ホテルはすごかった。薄暗いレセプションのお姉ちゃんは英語がペラペラだった(すでにこの程度のことで感動するようになっていた)。おぉぉ、ハラショー! ちなみにウラジオストック・ホテルはレストランはもとよりレセプションでも英語を話す人は誰もおらなんだ。さすがはシベリア鉄道随一の観光都市イルクーツクである。

イルクーツクは一泊するだけだったのでホテル内のインツーリストにバウチャーを渡し翌日の列車の切符の発行を頼んだ、まではよかった。が、なななんと、イルクーツク〜モスクワ間はロシア号ではなく、イルクーツク始発モスクワ行きのバイカル号にこれまた勝手に変更されたのである。ロシア号は夕方発だが、バイカル号は正午発だった。げぇぇぇぇっ、バイカル湖に行っとる時間がないではないか! どうしてくれるんだ、コラ!とインツーリストのロシア・オババに噛み付いてもオババは「ニェット」と首を横にふるだけである。それぢゃあ一体何のためにこんなところで途中下車したんだ??? モスクワまで6泊7日一気に行ってしまえばよかっただろがぁ!

てなわけで翌日は思いっきり朝寝坊をしてやり、昼前にやっとこさホテルを出てそのまんま駅に向かったのであった。
という具合に、バイカル湖畔は近くて遠かったのである。

でも車窓からバイカル湖の写真撮っておいてよかった。







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